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杉原政則事務局長コラム

ラジオ体操はやるだけ運動スキルが落ちる2?

Last Updated on 2020年6月9日 by グループ本部事務局

相変わらず「スポーツ会」の不祥事が続いています。
今回は「体操界」です。
鍛えるという言葉が、単なる有酸素運動や筋トレではなく人間性を向上させる意味になってほしいと思います。
つらい運動や繰り返し練習が、人間性を向上させることと何ら関係ないことに気づきたいものです。
当たり前ですが、競技実績が、指導力や運営能力とは関係がありません。
むしろ指導者と非指導者、先輩と後輩、レギュラー選手とその他の選手、金メダルなどの競技実績保有者とない選手などの、上下関係が災いとなっているようです。
優勝できなければ喜べず、負けて悔しいという低い精神性では教育とはいえません。

優勝した選手に「最後まで諦めない」、負けた選手に「悔しい、次回この悔しさを晴らしたい」と発言誘導するマスコミはひどいていたらくです。
優勝した選手の「最後まで諦めない」発言は負けた選手への侮辱であり、負けた選手の「悔しい、次回この悔しさを晴らしたい」は単なる復讐心でしかありません。
早くこのスパイラルから抜け出さなければ、日本人の幸福感は上がらないですね

ラジオ体操の問題点2

「ラジオ体操」の問題点の続きです。
前回は
①体幹動作ではなく手足動作を意識させている
でした。
今回は
②シンメトリー動作
です。
シンメトリー動作とは「左右対称動作」のことです。
ご存じのように「ラジオ体操」のほとんどが「左右対称動作」です

運動能力を落とすシンメトリー動作

本来の運動に「左右対称動作」は存在しません。
字を書くときは、右手(右利きなら)で書き左手で紙を押さえます。
このとき右手の動きに左手がつられれば字をうまくかけませんよね。
楽器の演奏も左右バラバラです。
スポーツなどの運動も野球・サッカー・テニスなどもそうです。
水泳の平泳ぎやバタフライが左右対称に思われるかもしれませんが、もし全く同じであれば、水の流れで傾いていってしまいます。水の流れを感じつつ左右をずらしながら調整しています。
ボートも同じです。左右同じにこいでいては目的地につけません。

このように日常生活を含め「左右非対称」に動作することが自然であるのに、ロボットのように「左右対称動作」を体操で行うのはナンセンスです。
実際に実験すればわかるのですが、「ラジオ体操」をしてから走れば記録は落ちます。

道場では子供たちに教えるために以下のようなことをします。
お互いに簡単な崩し技を掛け合います。
片方には「左右対称動作」をもう片方には「左右非対称動作」を5~10秒ほどさせます。
結果は歴然で「左右対称動作」をした直後では、びっくりするほど技がかかりません。

よくお年寄りなどのリハビリで左右の手で違うことをさせるのは効果的です。
ピアノ演奏も効果的でしょう。
なれてしまうと小脳運動となり効果がないので、できないことをする方が効果的です。

自然界にないシンメトリー

自然界に「左右対称」は存在しません。
「左右非対称」が自然です。
自然体をめざすのであれば「左右非対称」「左右バラバラ」を稽古しましょう?

人は興奮したり、支配的になると「シンメトリー」を好む傾向にあるようです。
「シンメトリー」に囲まれていると人は落ち着きません。
角も自然界にありませんから角も同等ですね。

学者ではありませんので研究結果ではなく、私の感性で言いますと、
支配的傾向の強い人間ほど「シンメトリー」を好む気がします。

日本人は古来。西洋に比して「シンメトリー」を好みませんよね。
茶室なども「左右非対称」にこだわっていますよね。
「左右非対称」に静けさを見いだすからだと思います。

現代人は「シンメトリー」「角」に囲まれた生活を都会人ほど余儀なくされます。
そのため「イライラ」など情緒的に不自然な影響を受けています。

より自然なものに触れる機会を増やしたいですね。
ちなみに今ひとつ現代人は「空間概念」にとらわれてあるものをうしないストレスとなっています。
これはいずれ書きますね。

ともあれこれほど「シンメトリー」でストレスのある現代人は体操まで「シンメトリー」にする必要はありませんよね。
生活要素の中にもできるだけ「左右非対称」を増やしましょう。

願わくば「ラジオ体操」も現代にあった正しい運動を示せるようリニューアルしたいものです。

次回は「ラジオ体操」の別の問題点
③動作そのものを指導せず動かし方しか言わないので、個々人で間違った動作をしている
に関して詳細に書く予定です。

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杉原政則 極真空手四段
極真会館グループ事務局長
極真会館東京本部長
多数の武道経験を持ち、文武両道の観点から学習道場も主催。武道を通じての青少年教育を研究し、地元小学校で定例で「空手通信」を発行。また経済分野においても武道のコラムを執筆中。
https://budo.tokyo/

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